延期を経てついに実現にこぎつけた世界ヘビー級4団体王座統一戦。オレクサンドル・ウシク、タイソン・フューリー、勝った方が史上初の4団体統一王者となる。
サウジアラビア リャド キングダムアリーナ
WBAスーパー,WBC,IBF,WBO世界ヘビー級王座統一戦12回戦
ウシクがWBAスーパー,IBF,WBO王座の防衛に成功。フューリーがWBC王座の防衛に失敗。ウシクが4団体統一王者となる。
序盤から両者細かい動きとフェイントをかけあいながらパンチを繰り出していく。リーチで勝るフューリーに対してウシクは飛び込める距離を維持しながら、無理のないタイミングを狙って連打を放っていく。フューリーは時折ふざけたムーブを繰り出し余裕を見せているが結構被弾している。
4ラウンドあたりからフューリーが本領を発揮し始める。リーチの長いジャブでうまく立ち回り、繰り出すノーモーションの右が冴える。そしてカウンターのタイミングでの右アッパーが強力で、ウシクは被弾して以降、明らかに守勢に回る展開が増えた。
8ラウンドあたりからウシクは再び体制を立て直して仕掛けていく。リスクをとって距離を詰め強力な左ストレートを当てていく。9ラウンドにはワンツーをクリーンヒットさせてフューリーの動きが止まったところへ猛攻をしかけてコーナーに崩してダウンを奪った。
終盤はダメージのたまったフューリーをウシクが慎重に見極めがら攻めていく。それでも隙をついてリスクをとって踏み込んだ攻撃を繰り返しているが、徐々にフューリーもペースを取り戻す。特に最終ラウンドは意外性のある右や速いコンビネーションでウシクの動きを鈍らせた。
判定2-1でウシクが勝利。比類なき4団体統一王者が誕生。メジャー4団体体制となってからはヘビー級で史上初のアンディスピューテッドチャンピオンとなった。
目まぐるしく展開が変わる見ごたえのある試合であり、ヘビー級4団体統一戦にふさわしい激闘だった。中盤からフューリーがペースを掴んだかに見えたが、ウシクが奮闘してフューリーをKO寸前にまで追い込むなど体格差を跳ね返す力を見せた。
ヘビー級4団体統一王者となったウシクは実質ボクシングの覇者であり、とてつもない偉業を成し遂げたといえるだろう。
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