アップセットをおこしてマティアスからタイトルを奪ったパロの初防衛戦。対するはこの階級のプロスペクト筆頭のヒッチンズ。王者交代もあり得る予想しがたい一戦となった。
プエルトリコ サンファン コリセオロベルトクレメンテ
【IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ12回戦】
パロが初防衛に失敗。ヒッチンズが新王者となる。
序盤、サウスポーのパロが丁寧にジャブを突きながら手数を多く出してヒッチンズを攻めていく。ヒッチンズは受けに回る展開が多い。しかし受けに回りながらも必要最低限の手数で的確なブローを打ち込んでいる。
中盤に入ってもパロが丁寧なジャブから攻めていく展開が続く。しかし、ヒッチンズが打ち終わりなどを狙って的確にクリーンヒットを入れる場面が増えてきた。7ラウンドあたりからはパロの攻撃をさばきつつヒッチンズがヒットアンドアウェイをする展開に。パロは空転が少し増えてきた。
終盤もパロが手数を出して前に出ていく展開は変わらないが、ヒッチンズがかなりパロのパンチを見切り始めた。パロのパンチを避けて自分は打ち終わりなどにヒットさせてまた動くというヒットアンドアウェイが冴えわたる。手数ではパロだが的確さでは確実にヒッチンズという展開が続きフルラウンドを消化して判定へ。
判定2-1のスプリットディシジョンでヒッチンズの勝利。パロを推したジャッジはおそらく手数を評価したのだろう。全体の印象としてはそう見えなくもない。ただ的確さを取れば確実にヒッチンズだった。序盤はパロが押していたが、試合中盤からはヒッチンズが堅守を保ちながらコントロールしていたように思う。
パロは初防衛に失敗。王者としては短命に終わってしまった。パロはかなりのレベルで完成されたボクサーファイターだと思う。その王者をヒッチンズは攻略して戴冠した。ヒッチンズの実力は本物だと思うし、負けにくいスタイルだとも思える。そして、どこかシャクール・スティーブンソンのような面影を感じずにはいられない。
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