元世界王者の矢吹正道がアキレスけん断裂という大けがを乗り越えて、およそ2年半ぶりの世界戦へ。テクニックもありパワーもある王者ノンシンガに挑戦する。
出典:BOXING NEWS
日本 愛知県常滑市 AICHI SKY EXPO
IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦
ノンシンガが初防衛に失敗。矢吹が新王者となる。
お互い様子を見ながらも強打を交錯させるスリリングな立ち上がりでスタート。序盤、矢吹が踏み込んで左をヒットさせ、ノンシンガも強打で返す。次第に矢吹がノンシンガの強打に対処しつつ、ワンツーで攻めていく展開に。4ラウンドあたりからはジャブの差し合いでは明確に勝ち、プレッシャーも強めていく。
中盤に入るとノンシンガが前に出ようとするが矢吹の冷静な距離感とジャブ、ワンツーに対処できず、思い通りに攻め込むことができない。矢吹はラウンドを重ねるごとにジャブ、ワンツーが冴えていく。そして迎えた8ラウンド、矢吹が強烈なワンツーでついにノンシンガを倒した。ノンシンガはゴングに救われたが、この時点でかなり弱気に。
9ラウンドも矢吹は冷静さを欠くことなく攻め、強打でノンシンガを後退させる。ノンシンガがクリンチをしようとするが振りほどいて右フックを叩き込み2度目のダウンを奪った。再開後はチャンスを逃さずラッシュして勝負を仕掛け、ノンシンガがキャンバスに崩れ落ちたところでレフェリーストップ。
明確なTKO決着で矢吹が勝利し王座返り咲きに成功。
戦前はボクシングスキルと引き出しの多さでノンシンガの方がやや有利と見ていた。しかし、内容的には矢吹が完全に試合をコントロールし快勝。完璧にハマった作戦勝ちとも思えるが、ノンシンガの戦い方を全て想定して対処するのは難しいはず。陣営の戦略も素晴らしかったが、矢吹が確実に強くなっていたように思う。
王座返り咲きを果たした矢吹だが減量が厳しいのは周知の事実。インタビューでは階級アップを示唆し、オラスクアガ戦を模索する思惑も披露した。矢吹の王座返り咲きは軽量級にさらなる盛り上がりを与えるかもしれない。
コメント