暫定からIBF正規王者に昇格したジャロン・エニスの防衛戦。当初、コディ・クローリーとの防衛戦が予定されていたがクローリーが眼の検査に引っ掛かり、代役としてデビッド・アバネシアンが抜擢された。ランキングはクローリーより下位ながら見ごたえのある試合が予想された。
アメリカ合衆国 ペンシルバニア州フィラデルフィア ウェルズファーゴセンター
IBF世界ウェルター級タイトルマッチ12回戦
○王者 ジャロン・エニス[5R TKO]挑戦者 デビッド・アバネシアン●
エニスが2度目の防衛に成功
エニスが2度目の防衛に成功
序盤はお互い様子を見ながらの攻防戦から徐々に接近戦になっていく展開。どちらかといえばアバネシアンから仕掛けた接近戦だが、お互い打ち合いから退かない。アバネシアンがフックなどをクリーンヒットさせていくが、エニスは隙をついて的確にボディやアッパーを打ち分け上手さと強さで上回る。そして徐々にエニスが手数を増やして引き離し始める。
5ラウンド、エニスのスリップをきっかけにアバネシアンが攻勢に出る。しかし反撃に出たエニスが、アバネシアンの打ち終わりに狙いすました強烈な左フックをヒットさせダウンを奪う。アバネシアンは立ち上がってしのいだが、5ラウンド終了時に棄権し試合終了。
エニスのスキルと強さが目立った試合だった。アバネシアンは現在13位の下位ランカーとはいえまだ実力のあるファイタだった。そういった相手をほぼ完璧に見切り制したのは見事。中間距離にも接近戦にも対応でき、冷静なコンビネーションの打ち分けや、狙いすましたフィニッシュブローが素晴らしかった。
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